函館家庭裁判所 昭和39年(少)1497号 決定 1964年12月01日
少年 T・B(昭二一・三・一七生)
主文
少年を中等少年院に送致する。
理由
(非行事実とその適条)
少年は、
第一、昭和三八年一二月○○日午後八時頃、函館市○○町○○ナイ卜クラブ○○○で、○尾○巳が他から窃取して来たものであることの情を知りながら、指輪一四点を預り保管し、(刑法二五六条二項)
第二、別紙記載のとおり前後三回にわたり満一八歳に満たない○井○子を午後一一時を過ぎて翌日午前四時までの間に同伴し、(北海道青少年保護育成条例一一条二項、二〇条一項三号)
第三、函館保護観察所の保護観察中のところ、函館市内の組織的暴力員団と交際し、正当な理由がないのに家庭に寄り附かないなど少年の性格環境に照らして将来罪を犯すおそれがある(少年法三条一項三号)
ものである。
(要保護性)
少年は、昭和三五年四月窃盗保護事件により当裁判所に係属して以来再三にわたつて非行を繰り返し昭和三八年八月一三日窃盗詐欺同未遂保護事件により函館保護観察所の保護観察に付されたが、自ら向上しようとする意欲は全くなく、保護者も少年のなすに任せていたため非行性は更に亢進し今後在宅保護を継続することはできない状況にある。
よつて、この際少年院に収容してその矯正教育に期待するのほかないものと思料し、少年法二四条一項三号、少年審判規則三七条一項、少年院法二条三項を適用して主文のとおり決定する。
(裁判官 川上正俊)
別紙
一、昭和三九年九月下旬午後一一時零分頃より翌日午前零時三〇分までの間保護者の依頼を受けず、○井○子(一七歳)を函館市○○町○○番地ナイトクラブ○○○より函館市△△町○○番地○見アパート内○柳○子(二〇年)方居室迄同伴し、
二、同年一〇月○日午後一一時四五分頃より翌日午前零時零分頃までの間保護者の依頼を受けず前記同人を函館市○○町○○番地ナイトクラブ○○○より函館市△町○○番地○見アパート内○柳○子方居室まで同伴し、
三、同年一〇月○○日午後一一時零分頃より翌△△日午前一時零分頃まで前記同人を函館市○○町○○番地ナイトクラブ○○○より函館市△△町○○番地○見アパート内○柳○子の居室まで同伴し
たものである。